◆あなたに贈る日めくり人間革命◆
※今日一日このスピーチの実戦を心がけてください。
あなたの人間革命に乾杯!
◇四月二十四日◇
第1256回
2016-09-26
昭和五十四年四月二十四日
反転攻勢(2)
<黙ったままでは情勢は変わらない!>
さらに第三に、わが正義の魂を燃やした、真剣勝負の「反撃」であった。当時、学会の首脳たちは、坊主どもの攪乱に怯え、常に宗門に監視されているような空気となってしまった。私も、自由に会合に出られない状況となった。そして、私に対する宗門の攻撃も一段と卑劣になってきた。聖教新聞には、ほとんど行動を報道されることもなくなっていた。私の記事が載らず、会員の方々は本当に寂しがっていた。多くの電話があった。多くの手紙が来た。
ただ黙ったまま、動きもしないで、情勢が変わるわけもない。まことの時は、いつになっても来ないであろう。増上慢の限りを尽くす宗門に対し、ふぬけになった幹部らの不甲斐なさにあきれて、私は一人、強い決心で、反撃に出た。会合に出られないなら、一軒一軒の家を回るのだ! 一度に大勢と会えないなら、一人一人との出会いを積み重ねていくのだ!
これが、私の断固たる決意であった。闘魂の炎であった。
長野県に在住する、古くからの功労者宅を訪問した時のことである。ちょうど今から二十五年前の、一九七九年(昭和五十四年)の八月二十五日であった。
当時も、あの地この地で、忘恩冷酷な坊主どもは、健気な学会員を苦しめ抜いていた。
この指導のために訪問した、家は、江戸初期から続く旧家であるという。小雨が降る午後、番傘を手に、表で待ってくださっていたご主人に案内され、重厚な門をくぐった。母屋には、およそ三百五十年の歴史がある。簡素な座敷は、質実な江戸の暮らしを偲ばせるものがあった。黒光りする柱や、牡丹が彫られた欄間に風格があった。この母屋を舞台にした民話を教えていただいた。
ある冬の夜――。溜め池に落ちて凍えるキツネを、庄屋の彦左衛門が親切に救い、山へ返した。翌朝、立派なキジが庄屋の家の縁側に。雪の上に残る足跡で、庄屋はキツネが恩返しに来たことを知った。「キツネの恩返し」という民話である。
庄屋の彦左衛門が、このお宅の先祖に当たるそうだ。素朴な筋書きだが、身振り手振りを交えて懸命に語るご主人の声には、切々と胸に迫るものがあった。
「恩」の大切さを伝え抜く心は、「忘恩」を許さぬ心でもあった。たとえ動物とはいえ、「恩」を忘れなかった行動は、幾百年も、親から子へ、子から孫へと伝承されてきた。報恩の行動こそ、民衆に必ず支持されるのである。
スペインの作家セルバンテスは、「忘恩は傲慢の産物にして、世に知られたる大罪の一つなり」(『ドン・キホーテ』後篇3、牛島信明訳、岩波文庫)と綴っている。
会長辞任の前後から、人間の裏切りや二面性を嫌というほど、私は見てきた。平気で大恩ある学会を裏切る不知恩な輩を、私はどれだけ目の当たりにしてきたことであろうか。「才能ある畜生」は、まさに畜生にも劣る存在であった。
(つづく)
2004年9月3日随筆人間世紀の光2 創立80周年へ創価の上げ
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