◆あなたに贈る日めくり人間革命◆
※今日一日このスピーチの実戦を心がけてください。
あなたの人間革命に乾杯!
◇幸福◇
第1049回
2015-10-21
「大地」のような生き方に、最高の「幸福」の方軌あり
さて、「幸福観」について、一言、述べておきたい。
「人生の幸福」といっても、もちろん人によって、さまざまなイメージがある。それぞれの価値観により、幸福像は大きく異なるものである。
ただ、平穏無事に過ぎる一生を「幸福」とする人も少なくない。ひたすら安定と快適を求め、そこに人生の価値を見いだす。描かれる幸福像は、たとえば「何も困ったことが起きない生活」(笑い)であり、「夫婦で手をつなぎ″カフェ″に入る」(笑い)光景であろうか。
一見、いかにも「幸福」に思えるかもしれない。しかしそこには、本当の深みも、人生の味わいもない。
それに対し、私どもの広布の旅路には、さながら劇のごとく、次から次へ、試練の嵐が来る。苦悩の高波もある。悪意の突風が吹く。しかし、それらに耐え、戦い、乗り越えてこそ、自身の深まりと充実があり、向上がある。人と人の信頼が生まれ、絆が強まる。つまり、人生の確かな価値が創造され、花開いていく。
仏法では、仏を「能忍」と説く。一切衆生のために難を忍び、耐えて法を弘めゆくところに、仏の徳がある。また、法華経を行ずる者に「悪口罵詈」があるのは必然であるとも説いている。
言い換えれば、平坦なだけの道は、成仏への道ではない。さまざまな障害が競い起きてこそ御聖訓どおりの信心であり、生命は磨かれ、成仏の道が開けていく。仏という永遠不壊の幸福境涯は、絶えざる難との戦いのなかにのみ構築されていくのである。
ゆえに、三世に崩れざる「幸福」とは、仏道修行という波瀾万丈の人生を勝ちぬいたところにあるといってよい。深く、広く、強靱な「幸福」の実像。それは、激しき人生の波浪のなかにあることを、強く訴えておきたい。
たとえば、「大地」ほど忍耐強く、慈悲深いものはない。巨大なビルにも、壮大なダムにも、悠々と耐え、ささえる。風雨に揺るがず、人間が踏み歩いてもじっと見守り、黙っている。
それだけではない。あらゆる草木に滋養を与え、芽吹きや生長の上台となる。限りなく「生」を育みながら、どっしりと広がり、そして太陽の恵みを享受する――。
この「大地」のような生き方に、最高の「幸福」の方軌を、私は見たい。
1989年11月29日第九回全国婦人部幹部会
Click here to see your activities